マッハ20のミサイル

ロシアが開発したという、マッハ20で飛ぶミサイルは迎撃不可能!というニュースを見ました。マッハ20というのは速さの事で、音速の20倍の速さという事です。

私の世代だと、「マッハ15の流星号」とか思い出します。戦闘機はマッハ3出るとか出ないとか。

では、実際にマッハ20のスピードとはどの程度なのでしょう。

マッハという単位は、1気圧摂氏15度の空気中での音速をマッハ1と定義されています。秒速340mです。

なので、マッハ20は、340x20で6.8km/sとなります。毎秒6.8キロメートル。ちょっと想像できません。

ですが、例えば、国際宇宙ステーションISSは地球の回りを90分で周回しています。

おおよそ8km/sの速度だそうです。マッハ23.5。マッハ20のミサイルでは追いつけません。

この秒速8kmという速度は、人工衛星を打ち上げる場合のロケットの速さに匹敵します。

つまり、JAXAが気象衛星とか打ち上げる時、H2ロケットは秒速8キロくらいまで加速してから衛星を分離して軌道にのせます。

月探査衛星の「かぐや」の場合は秒速11km以上の速度で打ち出す必要があったはずです。

つまり、日本のH2ロケットはマッハ20以上のミサイルと呼べませんか?

もっとも、人工衛星や宇宙ステーションは真空中を飛んでいます。これが1気圧の大気中であれば、とてもそんな速度では飛べません。空気抵抗て燃えてしまうでしょう。

さて、ロシアのマッハ20のミサイル。大気中をその速度で飛ぶとすると、「科学忍法火の鳥」のように炎をまとい、上空を飛ぶ様はまるで火球のように見えるのでしょうか。

この超音速ミサイルは多弾頭の大陸間弾道弾で、6000キロを15分で飛翔するとあります。

日米のミサイル防衛システムでは迎撃不可能らしいです。

6000キロ15分だと平均速度はマッハ6.7ほど。あれ?

大陸間弾道弾はロケットのようなものなので、やはりロケットをミサイルにしたもののようです。なので、もしH2ロケットのフェアリングの中に、GPS誘導できる弾頭を何十個か積めば、マッハ23以上、大圏コースで結ばれる複数の目標を攻撃できる多弾頭ミサイルとしてデビューできそうです。

でも、ミサイル防衛システムでは人工衛星を打ち上げるロケットは撃ち落とせないという事でしょうか。では、防衛できるミサイルのスペックとは???

マッハ20のミサイルより、高価なミサイル防衛システムの能力のほうが気になります。