ロータリーブローチ加工について、なかなか理解が追いついていなかったのですが、わかりやすい動画をみつけました。
ボール盤など、ワークを固定して加工する場合は
実際の刃物の傾きは1度です。ホルダーが回転しても、刃物はベアリングで接続されているので、刃先はワークに噛んだまま回転しません。
1度の傾きでグリグリと押し込む加工方法です。
粘土に先端を削ってない鉛筆(外形は六角)を突き刺すイメージでしょうか。
粘土にまっすぐ鉛筆を突き刺して鉛筆を引き抜くと粘土には6角穴が空きます。プレス加工はこれですね。
一方、鉛筆を動画のようにグリグリとこじるように押し込みます。あまり大きく傾けると穴はきれいな六角にはなりませんが、押し付ける力は小さくても押し込めます。
傾けることで、押し付ける力が外周上で一定にならず、角が当たる所に力が集中することで押し付ける力が小さくて済むわけです。(参考)
ハメアイの厳しい穴(と言っても、H/h7とかのスキマバメ)に棒を押し入れる時、まっすぐよりグリグリ回しながらの方が入りやすかったりするアレと同じです。(芯が合っていれば、まっすぐに入るけど、なかなかねぇ)
以上のロータリーブローチ加工は、まあ理解していたのですが、旋盤のように、ワークも回転している場合、なぜ?と思っていました。
上の動画では、相対的にワークと刃物は同期して回転しています。(同期しないと丸穴になっちゃう)
動画ではグリグリ感がないので分かりづらいです。
刃物のホルダー(青色)は固定されています。ワークとホルダーの芯は一直線上にありますが、刃物の芯は1度傾いています。(まあ、ホルダーがそういう構造だから。)
なので、刃物の角が当たる場所は、動画だと上側になります。よって、ワークと刃物が回転して上に来た時に強くこじられ、それが順番にそれぞれの角に移動します。
わかってしまえば何でも無いのですが、ホルダーも回転して角が立つのは同じ角だけなのでは?と勘違いしていました。(私だけ?)まあ、この動画を良く見ていたら、なるほどと納得したわけです。
また、他の動画を見ていたら、旋盤で刃物台を1度傾けて、同様な加工をしている動画がありました。位置合わせが難しそうですが、専用ホルダーがいらないのが良い(のか面倒なのか)です。
Youtubeを閲覧していると、色々と面白いですね。有益な動画をアップして下さっている皆さん、ありがとうございます。
ところで、このロータリーブローチ加工って、金額はどのくらいかかるのでしょう?
ツールの値段がなかなかわからなかったのですが、アリババのページがヒットしました。
「機械用ホルダー付きKC-CX08AM2内部六角形ロータリーブローチ/ブローチツール」
六角穴のサイズは不明ですが、300米ドルでした。
チップだけだと「高速度鋼回転ブローチツール正方形六角形パンチヘッド六角カッター」
やはりサイズは不明ですが、「$25.00 – $28.00/ ピース」となってました。邦訳した商品名がすごすぎて何なのか不明な所がすごいというかなんというか。
カタログのダウンロードできるメーカーはありましたが、ユーザー登録とかしてまでは、と思い、ノーチェックです。
モノタロウとかアマゾンとかでは見つけられませんでした。残念。
追記です
株式会社ナベヤが扱っている「ポリアンゴラー(角穴加工ツール)」が「ロータリーブローチ加工」の為のツールのようです。
「ポリアンゴラー」とは、イタリアのメーカーで、ミラノ郊外に会社はあります。
カタログには値段の記述もありました。2100Nモデルは1000ユーロ前後なので、13万円ほどでしょうか。輸入販売しているナベヤでは25~27万円になり、モノタロウでは参考価格はナベヤの価格で、販売価格は22~24万円。
4mmの六角刃物(NG16)はそれぞれ、66ユーロ(8,580円)、23,900円、19,900円でした。
輸送費や関税などで高くなってしまうようです。
「brighetti (ブリゲッティ)」というメーカーも「ロータリーブローチ加工」のツールメーカーのようで、山田マシンツール株式会社が扱っていました。
「ブリゲッティ」もイタリアでボローニャ郊外に会社はあります。
こちらのカタログも閲覧可能でしたが、値段は載ってませんでした。
日本メーカーでカタログをダウンロードするには名前等の登録が必要ですが、イタリアの両メーカーのサイトでは、何も登録しなくてもダウンロード可能でした。ただ、日本語ではありませんが。