吉野家の思い出

私が初めて「吉野家」の牛丼を食べたのは、1978年の初夏の頃だったと記憶しています。

当時の私は東京の下町で新聞奨学生というものを初めたばかりでした。

朝刊と夕刊の配達と集金、簡単な営業をやりながら予備校に通う日々でした。

重労働という程ではなかったのですが、なんせ19歳、夜食によく吉野家を使ってました。

当時の牛丼は、牛肉なんでしょうが、複数の部位の肉がたっぷり入っていました。玉ねぎとシラタキ(糸こんにゃくかも)、ネギも入っていたような記憶もあります。そして何より、脂ぎっていてスタミナ抜群という味。量も今の大盛りの丼くらいが並盛の丼でした。

賭け、じゃなくてじゃんけんに負けてよく牛丼弁当を夜中に何個も買いに行きました。翌朝、ゴミ箱付近だけでなく専売所の階段や廊下中に牛丼のニオイが溜まっていました。

当時、コンビニはセブンイレブンがありましたが、名前の通り24時間営業ではなく、さらに7-11ではなく、朝は8時くらいからオープンして夜も19時半には閉まってました。なので夜食は近くの青果市場に来る屋台のラーメンか吉牛くらいでした。

ちなみに、上京した翌年の新春に、「サンチェーン」という24時間営業のコンビニが近くにオープンしました。夜中に行ったら、1リットルのコーヒー牛乳のパックをサービスでもらった事もありました。

その後、しばらくしたら、吉野家が倒産したというニュース。でも吉野家は無くなりませんでした。が、牛丼が別物に変わってました。

牛肉は国産牛を使っているとの事でしたが、カンナで削ったような薄い肉。一緒に入っているシラタキと牛肉の区別がつかないような見た目。そして丼が小さくなってしまいました。なんでも、女性も入れるお店にしたかったと、女性の社長という人のコメントを新聞で読んだ記憶があります。

今ネットで調べると、倒産は1980年とあります。その頃のことだったのでしょう。

これが1回目の吉野家の変化でした。丼の大きさは、小さくなったとはいえ、今のサイズと変わらないというか、この時のサイズは今に続いているのかなと思います。特盛サイズの丼でも、大きかった時の大盛りの丼より小さいように思います。私の記憶ではですが。

そして、次の変化が、今の吉野家の味になった時だったと思います。輸入牛肉100%と、国産100%から180度変更するという、当時の社長の記事を読んだことがありました。

というわけで、勘違いしている事もありそうですが、私の中では、吉野家の牛丼は2度変化しているわけです。さらに言えば、牛丼専門店では無くなっている今は4度目の吉野家とも言えるかもです。

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